いつからか街は夕暮れ 吹く風はいつも気まぐれ 

商店街で買い物したらシール券をくれた。この昭和の香りがする田舎っぷりが堪らない。
しかしどこでもよさこい祭りってやってるんだねぇ。無論、地元もご他聞に漏れず。
昭和の延長線上にあるこの地方社会すら均質化しようとする現代のグローバリズムの潮流。
如何なものか。潰れたゲーセンの前でそんなことを思う。以上今日の多事争論でした。


■読了

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

蓬莱学園でお馴染みの新城カズマのJAレーベル初単行本。

長野県辺里市(長野出身某ネフ氏の分析によればモデルは上田市だそうで)という
どこにでもある平均的な片田舎の街で退屈な日々を過ごす主人公たち。
だけどその日常は幼なじみの少女が未来に「跳んだ」瞬間から一変する。
茶店夏の扉」にたむろするタクト、響子、涼、コージン、そして「時をかける少女」悠有。
彼らの忘れない夏が始まる。


本作は地方出身者の地方出身者による地方出身者のための青春小説だと思う次第。
高速が走ろうとスタバが出来ようとそこは所詮互監視ムラ社会。愛すべきクソッタレ我が故郷。
「頭が良い」「他人とは違う」と無責任に自負している高校生が抱く自惚れと閉塞感。
そして、誰しも一度は感じたことがあるであろう「ここではないどこかへ」と言う気持ち。


上記の青春の出汁を一見して、軽く身悶えそうになった方には是非オススメしたい。
それから若い子、特に今年地方から上京して来ましたなんて人にも読んで欲しいのう。


作中に登場する古今タイムトラベルSFを知っていればいるほどより深く楽しめる。
僕は今後の読書の指針にします。積みタワー後は「夏への扉」でも読んでみようかと。


あ、だからサマー/タイム/トラベラーなのか。