復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)/小川一水 ハヤカワ文庫

新潟の地震がやたらタイムリーな最中読了。
帝都を襲った未曾有の大厄災からの復興を描く三部作の第一巻。
舞台背景が関東大震災のあたりの日本と酷似。軍部の台頭とか立憲君主制とか。
つまり姫様萌え。ネリも萌え。某政治家と陸軍の中堅将校は燃え。
目的ではなく手段としてのSF―むしろそれをスパイスとして使い、SF小説の土俵で
政治劇を展開していると言えば適切か。


今まで読んだ小川氏の小説に比べてポンポン人が死んでいくのがちと。統計としての人の死。
氏の書く文章の特長である詳細な状況描写の裏付けとしては充分すぎるんだけど、
何と言うかもっと海深く潜ればいいじゃん、月に式場建設すれば良いじゃんと主張する俺はリトルハート。


国家崩壊の危険性を孕んだ危機的状況でキャラクターたちはどのように行動していくのか、
次巻以降が非常に楽しみ。
セイオは公務員の鏡であると思うと同時に姫様は余りに姫様。ツンデレるのかしら?